無戦略戦略

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「うちの会社の経営陣は相変わらずの無戦略戦略だよ」ーある大企業に勤めていた先輩がそう言ったことがあった。

無戦略戦略。ー本当にあったとしたら、それはなんだかすごそうな戦略の奥義だなぁと思った。

戦略的にそうしているかどうかは置いといて、実際、戦略が明確じゃない会社は世の中に結構あると思う。

大企業とは真逆の、創業間もないベンチャーでも、そういった状態ってのは結構ある。しかも戦略がなくても会社は活気に溢れていて、業績もどんどん伸ばしているところもある。

 

最近、僕がなんとなく感じるのは、成長している会社には、それなりの「デザイン」と「ムード」があるってことだ。

デザインとは、経営者が自分たちの行動原則や価値基準を言語化、視覚化していること。

例えば、未来の世界のデザイン、その中で自分たちがどんな状態になっているかのデザイン。そこで充実して働いている自分たちをデザインできるかどうかが大切である。これを経営者自ら描く努力をし続けている会社は強い。

デザインといえば、デザイナーさんやコピーライターさんがそれっぽい感じでビジュアルやキーコンセプトを作ってくれる、という時代はもう終わっているし、デザインの領域はそんな狭い領域では既にない。時代は既にハズキルーペなのである。この例えは、ちょっと話を見えずらくしたかもしれない。

 

そしてムード。

デザインが自分たちの行動原則や価値基準を顕在化させるプロセスだとしたら、ムード作りというのはそれを浸透させていくプロセスである。

ムードってのは、基本、信頼関係からスタートする。信頼関係や感情のない空間からはムードは発生しない。

そしてだいたいそこにはムードメーカーがいる。

ムードメーカーは、その場にいるメンバーひとりひとりから共感を引き出し、ひとつの空気にまとめていける人である。
もちろん、これも経営者がその役割を担っている会社はすごく強い。

 

インターネットによって、現場にダイレクトに情報が集まる流れに変わった今、ピラミット型の組織は崩壊し、上意下達の戦略思考は意味をなさなくなったのだと思う。

今や経営トップより、現場の当事者のほうが情報やノウハウを持っている。

情報やノウハウがダイレクトに集まるようになった現場の担当者は、日々情報の取捨選択をし、どんな行動をすべきか自分で小さな判断を繰り返している。

そんな組織運営で大切なことは、現場がよりプロアクティブに考え、行動することができる環境を用意したりサポートしたりすることだ。

それは、現場へのさらなる権限の委譲と、判断の拠り所となる価値基準の共有、そして何より安心感を持ってもらうことなんだと僕は思う。

現場の情報やノウハウを無理に経営トップが吸い上げるシステムを作ろうとしたり、全体最適を旗印に各現場の自由度を狭めたりすることは組織全体の自滅行為につながる。

組織形態もティール組織的に、階層を作らず、数名のチームが無数に横並びに存在するくらいの会社でいいんじゃないかと思う。

 

無戦略戦略。ー最近、僕がたどり着いたその戦略の奥義は、戦略なんてなくても、それぞれのチームの中で働くことに共感と信頼があれば、みんな自律的に仕事を楽しみながらいい成果が出せるんじゃないかってことだ。

戦略の理解より、価値の共有。

ルールじゃなくムード。

甘いと言われるかもしれないけど、僕はディレクターバンクをそんな場所にしていきたいと思っているんだ。

 

 

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