サーモンとぶり

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夜の9時をすぎると、地元のエキナカの立ち食い寿司屋さんは仕事帰りのサラリーマンで混み合う。


30代のちょっと太ったサラリーマンが、隣でスマホを見ながら、寿司を頼み始める。

「サーモンとぶり」
サラリーマンはなぜかカバンを左腕にぶら下げたまま、その手でスマホを見つつ、寿司を食べている。
ちょっとした筋トレみたいになっている。

「サーモンとぶり」
また頼んでる。ほとんど寿司を見ずに寿司を食べている。
「注文いいですか?」
早いペースでまた頼もうとしている。

「サーモンとぶり」
まただ。もう気になって仕方がない。
スマホ操作に飽きたのか、彼は湯のみを飲み干し、スマホから目を離し、じっくり壁に大きく書かれているメニューを眺めた。
いままでのペースから見ると、かなり吟味している感じである。
「注文いいですか?」
来た来た。検討結果は何なのだろう?

「サーモン」
ぶりはいいのかよ。っていうか、結局サーモンかよ。
男はサーモンをつまんで店を出た。

寿司屋で人の注文の癖を聞くのは面白い。

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